1. なぜ、こんなにも噛み合わないのか
・何度も説明しているのに伝わらない
・任せたはずなのに進んでいない
・やる気がないように見える
・指示待ちの姿勢が変わらない
そして、最後はこう思う。
「自分のマネジメントが下手なのかもしれない」
ですが、ここで一度整理しましょう。
部下が動かない原因は、
- 指導力不足
- 厳しさ不足
- カリスマ不足
ではない場合がほとんどです。
多くは、
「設計不足」です。
2. 部下が動かない3つの構造
① ゴールが“管理職の頭の中”にしかない
管理職は全体像が見えています。
- なぜこの仕事が必要か
- どこに向かっているか
- 何がリスクか
しかし、部下は違います。
伝えているつもりでも、
「この作業が、何につながるのか」
が具体化されていない。
結果、
- 優先順位がズレる
- 判断が遅くなる
- 指示待ちになる
これはやる気の問題ではありません。
判断材料の不足です。
② 「任せた」と「丸投げ」は違う
よくあるのがこれです。
「この案件、お願いね」
一見、任せています。
しかし実態は、
- 判断基準は共有していない
- 完成イメージも曖昧
- どこまで自由なのかも不明
これでは部下は動けません。
なぜなら、
「どこまでやっていいのか分からない」
からです。
結果、確認が増え、
あなたはこう感じます。
「結局、自分が見ないとダメだ」
ここで再び、管理職が抱え込みます。
③ 責任の位置が曖昧
これが最も重要です。
部下が動かない最大の理由は、
「責任の所在が曖昧」
だからです。
たとえば、
- 失敗したら誰が責任を取るのか
- 判断していい範囲はどこまでか
- 最終決定は誰か
これが曖昧だと、
人は慎重になります。
慎重になると、動きが止まります。
止まった状態を見て、
管理職は「やる気がない」と解釈してしまう。
しかし実際は、
動いてはいけない空気を感じているだけです。
3. 【重要ポイント】
「判断の委譲」ができていない
ここが、今回いちばん重要な部分です。
多くの管理職は、
- 作業は任せる
- 進捗も任せる
しかし、
「判断」は手放していない。
これがボトルネックになります。
具体例①:資料作成の場合
× よくある指示
「来週の会議資料、まとめておいて」
部下は、
- どの粒度で?
- どのメッセージを強調?
- どこまで踏み込む?
が分からない。
だから無難な資料を作る。
あなたはこう思う。
「なんか違うんだよな…」
しかしそれは、
判断基準を渡していないからです。
◎ 改善例
「今回の目的は“方向性の承認”をもらうこと。
だから細かい数字よりも、選択肢の整理を重視してほしい。
迷ったら、A案を優先していい。」
ここまで言えば、
部下は判断できます。
動きが変わります。
具体例②:顧客対応の場合
× 「うまく対応しておいて」
これは最悪です。
部下は、
- 強く出ていいのか
- 謝るべきか
- 引くべきか
分からない。
だから確認に来る。
あなたはまた忙しくなる。
◎ 改善例
「今回は関係維持が最優先。
利益は多少下がってもいい。
ただし価格交渉だけは一人で決めないで。」
これが判断の委譲です。
4. 動かないのではない。動けないだけ。
部下は基本的に、
- 評価を下げたくない
- 失敗したくない
- 責められたくない
だから安全な行動を選びます。
その結果、
- 指示待ち
- 最低限のアウトプット
- 過剰確認
になります。
これは人間として自然です。
問題は、
「どこまで決めていいか」が不明確なこと。
ここを設計できるかどうかが、
管理職の本質です。
5. 管理職の役割は「答えを出す人」ではない
多くの人が誤解しています。
管理職は、
- 全部知っている人ではありません。
本質は、
「判断の枠組みを渡す人」
です。
枠組みがあれば、
部下は動きます。
枠組みがなければ、
優秀でも止まります。
6. 最後に
部下が動かないとき、
自分の能力を疑う前に、
「判断を渡しているか?」
を問い直してみてください。
それだけで、
- 確認は減り
- ストレスは減り
- 主導権は戻ります。
管理職は、
“頑張る人”ではありません。
“動ける構造を作る人”です。

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