管理職を目指すなかで、社内外で発信する資料やプレゼン、契約書の確認など、「著作権」に関わる場面が、これから確実に増えていきます。
ところが、多くのビジネスパーソンは、「著作物を使ってはいけないケース」や「社内で作成した資料の著作権の帰属」について、正確に理解していないのが現実です。
著作権の知識がないまま業務を進めてしまうと、コンプライアンス違反や信頼失墜につながる恐れもあります。だからこそ、著作権法の基本を今のうちに押さえておくことが、管理職へのステップアップには不可欠なのです。
著作権法は、クリエイティブな活動を支えると同時に、ビジネスの現場でも頻繁に関わる法律です。特に、社内外での資料作成やコンテンツ活用が増えている現在、管理職を目指すビジネスパーソンにとって、その正しい理解は欠かせません。
本記事では、「ビジネス実務法務検定2級」の過去問を題材に、著作権法の重要ポイント10問を徹底的に解説しています。実務と直結する内容なので、試験対策はもちろん、日常業務のリスクマネジメント力の向上にも役立ちます!
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第1問:著作権の効力は登録後に発生する?
設問①
著作権法上、著作権の効力が発生するのは、著作物について、文化庁長官への著作権の設定登録が行われた時からである。
回答:誤り
解説:
著作権は、著作物を創作した時点で自動的に発生します。文化庁への登録は不要であり、登録制度は主に「著作権の移転」などの対抗要件(第三者への主張)として機能します。
- 創作=著作権発生!
- 登録は「任意」であり、効力の「発生要件」ではありません。
要約:
著作権は作品を作った時点で自動的に発生します。登録は必要ありません。
作ったらすぐ著作権がある!登録はいりません。
第2問:無断で作った二次的著作物の著作権は?
設問②
著作権法上、原著作物の著作権者の許諾を受けずに作成された二次的著作物の著作権は、著作物の著作権者に帰属する。
回答:誤り
解説:
二次的著作物(例:翻案、小説をもとにした映画など)であっても、著作権は「創作した人」に帰属します。ただし、原著作物の著作権者の許諾を得ていない場合、その二次的著作物を利用することはできません。
- 著作権の帰属と利用の可否は別問題です。
- 許可なしの二次創作物は使えないが、著作権自体は創作した人に発生します。
要約:
無断でも著作権は発生するが、使うことはできません。
勝手に作っても著作権はあるけど、勝手に使っちゃダメ!
第3問:共有著作権は勝手に使える?
設問③
著作権法上、共有著作権は、その共有者全員の合意によらなければ行使することができない。
回答:正しい
解説:
共有著作権とは、1つの著作物について複数人で著作権を持っている状態です。この場合、著作権を行使するには全員の合意が必要です。例えば、誰か1人が勝手に出版したり売ったりすることはできません。
- 合意がなければ行使できない
- 全員の権利が尊重される仕組みです
要約:
共有している著作権は、全員の合意がないと使えません。
みんなの合意がないとダメ!
第4問:譲渡には登録が必須?
設問④
著作物を譲渡する場合、著作権法上、文化庁長官への登録をしなければ譲渡の効力を生じず、当該登録はその効力発生要件である。
回答:誤り
解説:
著作権の譲渡自体は、当事者間の合意があれば有効です。文化庁への登録は、第三者に対抗するための「対抗要件」であり、効力の発生要件ではありません。
要約:
譲渡は登録しなくても有効。登録は第三者への主張のため。
売るだけなら登録いらない!
第5問:職務著作の著作者はだれ?
設問⑤
著作権法上、法人の従業員が職務上作成する著作物(職務著作)に該当する著作物を創作した場合、著作物の著作者は当該従業員である。
回答:誤り
解説:
「職務著作」とは、企業の指示で従業員が業務の一環として作成した著作物であり、法人が著作権者となります。この場合、原則として法人が著作者とされます。
- ただし「職務著作」に該当しないケースでは従業員が著作者です。
要約:
職務著作なら、著作者は法人です。
会社の仕事で作ったら、会社のもの!

第6問:著作者人格権と譲渡
設問⑥
著作者人格権は、その全部、または一部を他人に譲渡することができるが、著作権(著作財産権)は、その全部、または一部を他人に譲渡することができない。
回答:誤り
解説:
著作者人格権(氏名表示権など)は譲渡不可ですが、著作財産権(複製権、譲渡権など)は譲渡可能です。
- 人格にかかわる権利=譲渡NG
- お金になる権利=譲渡OK
要約:
人格権は譲渡できない、財産権は譲渡できる。
名前の権利はあげられない、お金の権利はあげられる!
第7問:家庭内利用ならコピーOK?
設問⑦
著作物を個人的に、または家庭内、その他、これに準じる、限られた範囲内において使用することを目的とするときは、その使用をする者は、原則として、著作権者の許諾を得ずに、その著作物を複製することができる。
回答:正しい
解説:
これは「私的使用のための複製」という例外規定です。家庭内や個人的な利用であれば、原則として許可なく複製が可能です。
- ただし「違法アップロードされたコンテンツのダウンロード」はNG!
要約:
家庭内や個人利用ならコピーしてもOK。
家で使うだけならOK!
第8問:著作権はいつまで続く?
設問⑧
著作権(著作財産権)は、原則として、著作物の創作の時から、著作権者の死後70年を経過するまでの間、存続する。
回答:正しい
解説:
現行の著作権法では、著作権は「著作者の死後70年間」存続します(自然人の場合)。法人の場合は「公表後70年」です。
要約:
著作権は原則、死後70年続きます。
死んでからも70年守られる!
第9問:共有著作権の行使と妨害
設問⑨
共有著作権は、原則として、その共有者全員の合意によらなければ行使することができず、各共有者は、正当な理由がない限り、この合意の成立を妨げることができない。
回答:正しい
解説:
第3問と同様に、共有著作権では合意が必要です。さらに重要なのは「正当な理由なく合意を妨げてはならない」という点です。これは、共有者が権利の行使を不当に妨害できないようにするための規定です。
要約:
共有者は正当な理由なしに合意を妨げてはいけません。
勝手に反対しちゃダメ!
第10問:法人と職務著作の条件
設問⑩
企業等の法人等の発意に基づき、当該法人等の業務に従事する従業員が職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く)で、当該法人等が自己の著作の名義の下に公表する職務著作については、当該法人等と従業員との間に職務著作に関する別段の定めがない時は、当該法人等が著作権者とされる。
回答:正しい
解説:
これは職務著作の典型的な定義です。法人の名義で発表され、従業員が職務上で作成した場合、法人が著作権者となります。ただし「プログラム著作物」は別のルールがあるため注意が必要です。
要約:
法人の名義で公表された職務著作は法人が著作権者です。
会社の名前で出せば会社のもの!
まとめ:著作権法の知識は、現場でも武器になる!
著作権法の基礎を押さえることは、管理職としての資質を高めるうえでも非常に重要です。
契約書、業務委託、コンテンツ活用、研修資料作成——あらゆる場面でこの知識は活きてきます。
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