こんにちは!
法務知識を武器にして、次のキャリアステップを目指すあなたへ。
今回は、「ビジネス実務法務検定試験2級」の中でも、設立に関する間違いやすい知識を10項目に絞って、徹底的に解説します!
知っているだけで一歩リード!
部下に説明する立場になったときにも、しっかり理解していれば説得力が段違いです!
① 定款に書いちゃダメなことがある?
株式会社の設立に際して作成される定款に、霊感の記載事項として会社法で定められていない事項である「定時株主総会の招集通知期間」や「取締役の定員」を記載した場合、定款自体が無効となる。
この記述は誤りです。
なぜ?
定款には、絶対的記載事項(必ず記載が必要なもの)と、相対的記載事項(記載すれば有効になるが、記載しなくてもよい)、そして任意的記載事項(自由に書いてよい項目)があります。
「定時株主総会の招集通知の期間」や「取締役の定員」などは、任意的に記載できる項目に該当します。よって、これらを書いたからといって、定款全体が無効になることはありません!
② 出資は金銭だけ?
株式会社が設立にあたって、出資の対象となる財産は金銭のみであり、不動産や有価証券等の金銭以外の財産は出資の対象とはならない。
この記述も誤りです。
実は…
株式会社の設立における出資には、「金銭出資」と「現物出資」の2種類があります。
現物出資とは、不動産や株券、特許権などの財産を出資することを指します。
したがって、金銭以外も出資対象となり得ます。ただし、現物出資には注意が必要で、その価値の評価や記載方法にルールがあります。詳しくは前回の記事でも解説していますので、そちらも併せてご覧ください!
③ 株を引き受けたけど、払わなかったら?
募集設立における株式の引受人は出資の履行をしない場合、当該株式の株主となる権利を失う。
これは正解です!
なぜかというと…
株式の引受人は、出資義務を果たすことで初めて「株主」としての地位を得ます。
つまり、株式を引き受けると表明しただけでは不十分で、実際に出資を行う必要があるのです。
出資をしなかった場合、その人は株主とは認められず、当然ながら株主としての権利(議決権など)も持てません!
④ 出資されたお金は全部「資本金」にするべき?
出資された財産の額はすべて資本準備金に計上しなければならない。
この記述は誤りです。
正しくは…
出資された財産は、会社法のルールに従って、原則として「資本金」として計上されます。ただし、一部を「資本準備金」として扱うこともできます。
例えば、500万円の出資を受けた場合、そのうちの250万円を資本金、残りを資本準備金に振り分けることが可能です(※最低でも1/2は資本金にする必要あり)。
⑤ 発起人の責任について
発起人は任務を怠った場合、会社に対しこれによって生じた損害を賠償する責任を負う。
この記述は正解です!
ポイント!
発起人には、設立手続の適正性や誠実な行動が求められます。
そのため、過失や不正があれば、会社に対して責任を負うという仕組みになっています。
⑥ 発起人の一人が勝手に動いたら?
発起人の一人Aが設立の手続きを進めたが、会社が成立しなかった。この場合、他の発起人は責任を負わない。
これは誤りです。
実際には…
たとえ設立しなかった場合でも、原則として発起人全員が連帯して責任を負います。
つまり、Aの行為にBやCが関与していなくても、一定の範囲で責任が及ぶことがあります。
⑦ 株式を引き受ける=発起人にならなきゃいけない?
株式を引き受ける者は発起人にならなければならない。
この記述は誤りです。
株式を引き受ける人=株主。
しかし、発起人になるかどうかは別問題です。
発起人は「定款を作成し、設立の手続きを担う者」。株式引受人は、「出資をして株を持つ者」。
つまり、株を買うだけで発起人になる必要はないのです。
⑧ 発起人なのに出資しなかったら?
発起人Dが出資をしなかった場合、その者は設立時発行株式の株主となる権利を失う。
これは正解です。
なぜ?
出資を履行しなければ、「株主」としての地位は当然に失われます。
発起人という肩書きがあっても、お金を払っていなければ意味がないのです。
⑨ 定款には公証人の認証が必要ない?
発起人が書面により定款を作成し、記名押印すれば、その効力が生じる(公証人認証は不要)。
この記述は誤りです。
要注意!
株式会社設立において、定款は公証人の認証を受けることが絶対に必要です!
定款の認証がなければ、法的に効力を持ちません。
⑩ 仮装の払い込みは銀行もアウト?
発起人Gが「預け合いによる払い込みの仮装」を行った場合、乙銀行も刑事罰の対象となる。
これは正解です。
実務でも要注意!
仮装の払い込み(名ばかりの払い込み)は、会社法違反かつ刑法上の処罰対象です。
これは発起人だけでなく、加担した金融機関も刑事責任を問われます!
まとめ|設立段階の「ミス」が将来のトラブルを生む!
今回ご紹介した10項目は、一見すると細かいルールに見えますが、どれも実務上は致命的なミスにつながる可能性がある重要なポイントです。
管理職を目指すあなたには、これらの知識を正確に理解し、部下や経営層にも説明できるレベルを目指してほしいと思います!
【ステップアップのための学習リソース】
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