はじめに:データを見るだけでは、管理はできない!
「データは集めたけど、何をどう分析したらいいか分からない…」
そんなあなたにこそ知ってほしいのが、相関分析・回帰分析、そしてF検定です!
特に、部下の報告資料や品質データを見て「なんとなく関係ありそう…」で終わらせていませんか?
実際には、その「関係性」が統計的に有意かどうかを判断しないと、現場の改善にも経営判断にもつながらないんです!
マンガでわかる統計学(回帰分析編) [ 高橋信 ]
相関分析・回帰分析とは?
まずは基本をしっかり押さえましょう!
相関分析(correlation analysis)
- 目的:2つの変数がどれくらい関係しているかを見る!
- 例:「温度」と「不良率」、「作業時間」と「生産量」など。
- 結果:相関係数「r」で示され、-1〜+1の範囲。
プラスなら一方が上がると他方も上がる、マイナスなら一方が上がると他方は下がる
r=0に近いならほぼ無関係!
回帰分析(regression analysis)
- 目的:片方の変数(目的変数)をもう片方の変数(説明変数)から予測!
- 結果:y = a + bx のような式で表される直線モデルが求まる!
つまり「この先、温度が◯度上がったら不良率はどうなる?」が分かる!
では、F検定って何をしてるの?
ここが今回の核心です!
「この回帰式、使えるの?」を検定する!
回帰式を作っても、「たまたまこのデータだけそう見える」可能性がありますよね?
だから、本当に説明変数xと目的変数yに意味のある関係があるのか?
それをチェックするのがF検定です!
【検定の考え方】
帰無仮説と対立仮説をまず押さえる!
- 帰無仮説 H₀:xはyに影響していない(つまり、回帰係数b=0)
- 対立仮説 H₁:xはyに影響している(つまり、回帰係数b≠0)
この仮説検定によって、「意味ある関係」があるかどうかが分かるんです!
F検定の計算ステップ
ステップ①:平方和を分ける
項目 | 意味 | 記号 |
---|---|---|
回帰平方和 | 回帰式が説明できた部分 | SSR(またはSS回帰) |
残差平方和 | 説明できなかった部分 | SSE(またはSS残差) |
全体平方和 | 全データのバラつき | SST |
SST = SSR + SSE が成り立ちます。
ステップ②:分散に変換(平均平方和)
- 平均回帰平方(MSR)= SSR / 自由度(通常1)
- 平均残差平方(MSE)= SSE / 自由度(n−2)
ステップ③:F値を計算!
F = MSR / MSE
このF値が「F分布表」の有意水準5%(α=0.05)の値よりも大きければ…
➡ 「この回帰式は有意!」=使える!ということになります
実際の例で見てみよう!
例えば、以下のような分析をしたとします:
- 目的変数:製品の不良率
- 説明変数:湿度(%)
- 回帰式:y = 2.5 + 0.15x
- F値:6.24
- 自由度:1と8(n=10)
F分布表で、有意水準5%、自由度1と8のときのFの臨界値は5.32
6.24 > 5.32 → 棄却域に入る!
つまり、「湿度と不良率には有意な関係がある!」と判断できます!
管理職が押さえるべきポイント!
ここが重要です!
なぜ回帰式を疑う必要があるのか?
「なんとなく相関がありそう」というだけで施策を打つのは危険!
F検定によって回帰分析の信頼性を担保することができるのです。
回帰式のF検定で“説明力”を見極める!
説明変数が目的変数に与える影響が統計的に有意かどうかを見れば、
データを“使える知恵”に変える力がつく!
【実践的な活用アイデア】
- 品質データ(温度×寸法ズレ)で傾向分析 → 設備の温調を改善!
- 生産データ(稼働時間×生産数)を分析 → シフト編成の見直し!
F検定をマスターすることで、管理職としての“説得力”が変わります!
まとめ:数字に強い管理職は信頼される!
回帰分析におけるF検定は、「この分析、信じていいの?」という問いに答えてくれるもの。
ただのデータではなく、意味ある情報に変えるための判断基準なんです。
ぜひ、F検定の考え方をしっかり押さえて、現場の改善や業務判断に活かしてください!
統計学がわかる(回帰分析・因子分析編) (ファーストブック) [ 向後千春 ]
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