不安を抱えるメンバーへの対応

マインド

メンバーに新しい仕事を任せるときに、漠然とした不安を抱えてしまう人がいる。

新しい仕事に対して、やったことがない分野、何をやっていいか分からない、うまくイメージできない、ちゃんとできるか分からない、といったように、具体性がない状態で不安をもってしまう。

この記事では、そんなメンバーへの対応について説明します。

不安を行動で打ち消す

メンバーが漠然とした不安を抱えている。それは、どのような状態なのでしょうか?

不安が大きすぎる、本当に私にできるのか分からない、と言ったように何が不安なのか本人もわからない状態でしょう。

そんな状態のときは、「とりあえずやってみて!」と行動を促し、その結果に対してアプローチするといった方法が考えられます。この方法では、実際にメンバーは不安を抱えたまま行動し、その結果から得られる成果に対して不足部分を対策することになります。

そのため、最終的なゴールを示す必要があり、その過程におけるメンバーのスキルやマインドをあるべき姿と比較し、何が問題なのかを確認していく必要があります。

これでは、不安を見ずして行動で対応した結果のみに注目したために、メンバーの不安が何なのか見ていないのと同じであり、不安解消には繋がってないのではないでしょうか。

不安を抱える人

何か新しいことを始める時に、「不安に感じるものが大きすぎて一歩目が出ない」「うまくいくか分からない」と言った不安に思う人の思考としては、「誠実な完璧主義者」と考えるとよいでしょう。

そのメンバーは、その新しい取り組みについて、「完全にやりたい」「相手の期待に応えたい」といったような思い込みに囚われており、常に成功させたいと思い、自分の期待値に対しても応えたいと思う傾向があるのではないでしょうか。

そのため、「自分がやるんだから、任せられるのだから完璧に実行したい」だけど、「それは、新しいことで、今の自分のスキルで最初からはうまくできそうにない」と思ってしまうため結果として、「不安だなぁ」と、「うまくいかないんじゃないかなぁ」っていう不安を抱えてしまうのです。

不安への対応

不安に思うことの正体は、新しい事への取り組みに対する、自分の期待値とのギャップと言えるでしょう。なので不安要素とは、実は全然後ろ向きの思考ではなく、不安に思うこと自体は悪い事でもないのです。

不安への最初のアプローチとしては、「誰でも普通に、最初はうまくいくかどうかはわかんないよね」と言った感覚を共有する、それは、自分自身の期待値とのギャップであることを確認することから始まります。

不安に思うとき、それはこんな状態です。

自分の持つと考えている力量以上のことをやろうとする

自分がイメージする完璧な状態にできるのか、できないのか分からない

うまくいくかなぁ、うまくやりこなしたいなぁと思っている

このように、不安に思うこと自体は決して悪い事ではなく、「完璧にやりたい」から、「できないと思う」から、そのギャップで不安に思っているだけなのです。

この完璧主義に対して、「別にうまくいくわけないじゃん」って最初から思っていたら不安を抱えることもないのではないでしょうか?

次に、セカンドアプローチについて考えてみましょう。

不安を抱える人は「自分自身が描く完璧とのギャップ」を不安と思い込むため、その「完璧に対する80%とはどのくらいかイメージしてみる」とその不安を生むギャップの20%にフォーカスできます。

完璧に対する80%の結果得た時に、不安を抱える人は、「よしっ!80%しっかりできた!」とは捉えることができず「完璧に対して20%足りてない!」と思う人です。常に自分自身の100%を目指す誠実な人なのでそのギャップを不安に思ってしまいます。

新しいことに対して、「自分の今の力量では最初は100%達成できないなぁ」と、「やるんだったら100%達成したいけど、でも今はできそうにないからなぁ」と思うから、やることが不安なので、「別に最初は80%で十分OK、そこまで達成したところで残りの20%どう進めていくか、できるようにするためには何が必要か一緒に考えよう」といった具合で不安要素の解消に向け共有してはいかがでしょうか。

99%では1%常に不安

不安に思うことは、少しでも不安に思えば不安なので、99%安心できても、1%不安であれば不安を抱えている。

例えば、車に乗って隣町まで買い物へ行こうと考えた時、事故に合うのではないかと不安に思う人がいたとする。その事故に合う確率はどのくらいかといった説明しても、その人の不安は解消しないでしょう。

その事故に合わないといった不安を完全に解消するために「車での移動をやめますか?」との提案では目的は何も達成されず、結局、事故に合わない確率で説明しても不安に思っている人に対しての不安は解消できない。

「事故にあっても絶対にけがをしない車を使用する」「事故にあっても治療代は心配ない」「電車で移動する」といったような不安との代替えによる解消方法を検討することで、不安要を軽減できるかも知れない。

不安に思うことは決して悪い事ではない

不安を抱える人は、誠実で完璧主義者であることから、うまくいかないことにフォーカスしてしまう。この思考に対し、うまくできないことにフォーカスするよりも、「ここまでできてるよ!」と自分自身で受け入れさせることができるかどうか大切である。

更に、その完璧に向かって残りの足りない部分に対して、「どうすればできるようになるのか?」ということについて一緒に考え目標を設定し、それを乗り越え成功体験を積んでいく。

これを少しずつ繰り返すことで自分に自信がついてくることによって不安に思う要素が減っていくのではないでしょうか。

逆の不安

この不安を解消する思考の一つに、「できなくても仕方ない」について、あまりにも楽観的に捉える人は、常に「まぁなんとかなるでしょ」と言い始めます。

この領域に入ってしまうと、無責任な言動を始め「今までも何とかなってきた」「なるようにしかならない」といった思考に落ちます。

この考えでは、前提とする目的達成に向け大きく道を外れる可能性が出てくるため、その楽観論に対する理由と根拠を明確に示させる必要があります。

しっかり説明させることで根拠があればよいですが、思いつきや直感で進むのでは仕事に対するプライドがなく逆に不安を抱えることになります。

不安を抱える人との共有において、「100%じゃなくてもいい」のファーストアプローチの強さについては、その人の特性を考慮する必要があります。

まとめ

不安に思っている人は「100%ちゃんとやらないと気が済まない」ので、最初の段階で「自分は100%できる人ではない」と思っていることが不安の正体である。

このため、「最初は100%は必要ない」「どこまでを100%と思うのか」「どこまでならできそうと思うのか?」と、不安に思う人ができるところまで持って行くのを第一ステップとして共有することが大切である。

不安を解消するためには、「できそうもないところで求められている気がする」から不安になっていることを共有し、「できそうなところまでを第一ステップでやる」という形で進めるのも一つの方法である。

「どこまでができる範囲」なのか、「どこから先ができないか?」「その先はどうすればできるようになりそうか?」というステップにより問題を解決するイメージを共有し、実践、行動することを繰り返し、小さな成功体験を重ね自分の経験として身につけることで許容範囲が広がり、抱えている不安解消へつなげていきましょう。

以上、不安を抱えるメンバーへの対応について説明しました。この記事が少しでも参考になればうれしいです。

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