管理職になってから、
「結局、自分でやった方が早い」
そう感じる場面が増えていませんか。
部下に任せたはずの仕事が戻ってきたり、
確認すると方向性がズレていたり、
修正に思った以上の時間がかかったりする。
そのたびに、
「次は自分でやろう」
「ここは任せずに抱えよう」
そう判断してしまう。
気づけば、
自分のタスクは増える一方。
忙しさは限界なのに、成果は思うように伸びない。
これは、あなた一人の問題ではありません。
多くの管理職が、同じ構造的な罠にはまっています。
前回の記事では、成果が出ない管理職に共通する「3つの構造」について整理しました。
今回は、その中でも、最も多くの管理職がつまづく、「任せる」と言う点に焦点を当てています。
任せられないのは「責任感が強いから」ではない
「自分は責任感が強いから、任せきれないんだ」
そう考えていないでしょうか。
確かに、責任感は管理職にとって欠かせません。
しかし、問題の本質はそこではありません。
任せられない管理職の多くは、
任せ方を“構造”として持っていないだけなのです。
例えば、
- どうなれば成功なのかが曖昧
- どこまで任せてよいか決めていない
- 失敗したときの戻し方を設計していない
この状態で仕事を渡せば、
不安が生まれるのは当然です。
結果として、
「やっぱり自分でやろう」
という判断に戻ってしまいます。
これは性格の問題ではありません。
設計の問題です。
「任せる=丸投げ」になっていないか
任せることに苦手意識がある管理職ほど、
実は行動が両極端になりがちです。
- 細かく指示しすぎて、部下が考えなくなる
- 逆に、何も言わずに丸投げしてしまう
どちらも、うまくいきません。
任せるとは、
仕事を渡すことではなく、判断を分けることです。
- どこまで自分で決めていいのか
- どこから相談すべきか
- 判断に迷ったら何を優先するのか
これが共有されていなければ、
部下は動けません。
確認が増え、
管理職の負担が増え、
「やっぱり任せるのは無理だ」という結論に至ります。
任せられない管理職が見直すべき3つの視点
①「成果が出ている状態」を先に定義しているか
任せる前に、
「どんな状態になっていれば成功なのか」
を言語化できているでしょうか。
- 期限
- 品質
- 判断基準
これが曖昧なままでは、
任せる側も、任される側も不安になります。
成果を「状態」で定義できないと、
途中での確認も、軌道修正もできません。
② 途中で戻せるポイントを決めているか
任せることが怖い理由の一つは、
「失敗したら取り返しがつかない」と感じてしまうからです。
だからこそ、
最初から戻しどころを決めておく必要があります。
- このタイミングで一度確認する
- ここまでは任せる
- この判断は必ず相談する
これが決まっていれば、
任せる側の不安は大きく減ります。
③ 任せる目的が「楽になること」になっていないか
任せる目的が、
「自分が楽になるため」
になっていないでしょうか。
この意識があると、
無意識に成果だけを急いでしまいます。
任せる本当の目的は、
成果を安定させることです。
- 部下が判断できる範囲を広げる
- 再現性のあるやり方を作る
- 結果として管理職の負担が軽くなる
この順番を間違えると、
任せること自体がうまくいきません。
まとめ:任せられないのは「弱さ」ではない
任せられない。
仕事を抱え込んでしまう。
それは、管理職としての欠点ではありません。
多くの場合、
任せるための構造が整理されていないだけです。
- 成果の定義
- 判断の範囲
- 戻しどころ
この3点を設計するだけで、
任せることへの不安は大きく減ります。
管理職の仕事は、
自分が頑張ることではなく、
他人が成果を出せる環境を整えること。
任せられない自分を責める前に、
仕事の構造を一度、見直してみましょう。


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