管理職になってから、
こんな感覚を抱いたことはないでしょうか。
- 上からの期待は高い
- 部下からも頼られる
- 成果も、一定は出している
それなのに、
なぜか気持ちは軽くならない。
むしろ、
- 常に何かに追われている
- 休んでも頭が切り替わらない
- 「このまま続けて大丈夫なのか」と考えてしまう
これは、珍しい状態ではありません。
むしろ「真面目に管理職をやっている人ほど陥りやすい構造」です。
なぜ「期待される管理職」ほど苦しくなるのか
期待される管理職には、共通点があります。
- 判断が早い
- 責任から逃げない
- トラブルを収めてきた経験がある
だからこそ、
組織は無意識にこう考えます。
「この人に任せれば何とかなる」
結果として、
- 難しい案件が集まる
- 調整役を任される
- 誰もやりたがらない仕事が回ってくる
しかし、ここで重要なのは、
仕事は増えるが、役割は整理されないという点です。
落とし穴① 役割が増え続けるのに、仕事は減らない
期待される管理職ほど、
- これまでの仕事
- 新しく任された仕事
- 見えない調整業務
すべてを同時に抱えます。
「できる人だから」
「分かっている人だから」
その一言で、
仕事は足し算され続けます。
これは能力の問題ではありません。
構造として、引き算(減らす設計)が、されていないだけです。
落とし穴② 「自分が何とかすべき」という思考が強化される
前回までの記事で紹介してきた、
- 任せられない
- 進捗が見えない
- 判断基準が共有されていない
これらが未整理のまま残っていると、
最終的にどうなるか。
管理職が全部引き取るしかなくなるのです。
- 任せるのが怖い
- 途中で崩れるのが嫌
- 上に迷惑をかけたくない
その結果、
「自分がやった方が早い」
という判断が積み重なります。
これは美徳ではありません。
消耗を前提とした働き方です。
落とし穴③ 期待されるほど、相談できなくなる
期待されている管理職ほど、
- 弱音を吐きにくい
- 今さら聞けない
- 分かっている前提で扱われる
という状況に置かれます。
上司からも、
部下からも、
「できる人」として見られる。
その結果、
判断を一人で抱え込む構造が完成します。
これは精神論ではなく、
役割設計の問題です。
管理職が壊れ始めるときに現れるサイン
次の状態が重なっていたら、
それは限界が近いサインです。
- ミスに過剰に反応する
- 小さな遅れが許せなくなる
- 仕事の意味を感じなくなる
- 「辞めたい」ではなく「逃げたい」と思う
これは甘えではありません。
構造疲労です。
管理職が生き残るために必要な視点の転換
① 期待は「全部応えるもの」ではない
期待には2種類あります。
- 明確に役割として定義された期待
- 何となく背負わされている期待
後者まで引き受ける必要はありません。
まずは、
「これは自分の仕事なのか?」
と疑うこと。
② 管理職は「頑張る人」ではなく「配分する人」
管理職の仕事は、
- 自分が一番動くこと
- 一番耐えること
ではありません。
- 判断を配る
- 責任を分ける
- 情報を整理して流す
自分の負荷を下げる設計も、仕事のうちです。
③ しんどくなったら「自分」より「構造」を疑う
苦しくなると、人は自分を責めます。
- 向いていない
- 力不足だ
- もっと頑張らなければ
しかし、ここまで読んできたあなたなら分かるはずです。
多くの場合、
壊れる原因は「人」ではなく「構造」です。
まとめ:管理職は、消耗する役割ではない
管理職は、
- 耐え続ける人
- 何でも引き受ける人
である必要はありません。
- 成果が出る構造を作り
- 人が判断できる環境を整え
- 自分も持続可能であること
これが本来の役割です。
期待されすぎて苦しいと感じたら、
それは失格のサインではありません。
構造を見直すべきタイミングです。
まずは、
「自分は何を背負いすぎているのか」
そこから、一つずつ整理していきましょう。

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