問題の設定（その６）問題解決の優先順位が見えてくる！「ギャップの大きさを金銭に置き換える」方法

こんにちは！職場の問題解決に日々取り組むみなさん、こんな悩みを抱えていませんか？

「問題は山積みなのに、どれから手をつければいいのかわからない！」

「優先順位をつけたいけど、どうやって比較すればいいの？」

今回は、そんなお悩みを解決するための強力なツール、「ギャップを金銭に置き換える方法」をご紹介します！これを活用すれば、職場で抽出したたくさんの問題の中から、どの問題に優先的に取り組むべきかが明確になりますよ。

ギャップを金銭に換算するメリットとは？

問題解決において、「現状」と「あるべき姿」の間には必ずギャップが存在します。このギャップを明確にし、それを金銭に換算することには、以下の2つの大きな目的があります。

1. 問題の優先順位を明確にする

たとえ職場に100個の問題があったとしても、それぞれの金銭的な影響を計算することで、比較が可能になります。結果として、最も金銭的影響が大きい問題から取り組むことができます。

2. 費用対効果を評価する

問題解決には必ず費用がかかります。そのため、解決する価値があるかどうかを判断するために、「この問題を解決することでどれだけの利益が得られるのか？」という基準が必要です。金銭に換算すれば、解決コストと期待される効果を比較でき、効率的な意思決定が可能になります。

3つのポイントで実践！ギャップを金銭に置き換える方法

ポイント1：必ず「金額」で表示する

問題を金額で表現することは、最初は難しいかもしれません。しかし、これを避けて曖昧な数字や文章で表現してしまうと、問題の比較ができなくなります。金額に換算できる部分を探し出し、可能な限り正確に計算することが重要です。

• 例：社内の非効率な会議運営

• 1回の会議に10人が参加。平均時給は2,000円。会議時間は2時間。

• →「1回の会議にかかるコストは、10人 × 2,000円 × 2時間 = 40,000円」

ポイント2：年間換算で算出する

問題解決の効果を明確にするためには、金額を年間単位に換算することが必須です。月ごとの数字や短期間のデータだけでは、会社全体への影響を正確に伝えることが難しいためです。

• 例：無駄な会議のコストを年間換算する

• 1ヶ月に20回会議が行われると仮定。

• →「40,000円 × 20回 × 12ヶ月 = 9,600,000円」

こうすることで、「無駄な会議を改善すれば、年間約1,000万円のコスト削減が見込める」と具体的な数字を示せます。

ポイント3：計算式を明示する

金銭に換算した結果が説得力を持つためには、その計算の根拠を明示することが必要です。計算のプロセスが曖昧だと、金額自体の信憑性が疑われてしまいます。

• 例：根拠を明示する方法

• 「40,000円」という金額は以下の計算によるものです：

• 1回の会議に参加する人数（10人）

• 1人あたりの平均時給（2,000円）

• 会議時間（2時間）

このように、どのようなデータに基づいて金額を算出したのかを具体的に示しましょう。

実践例：ギャップを金銭に換算する流れ

【例1】商品の在庫管理の問題

• 現状：在庫管理が不十分で、不良在庫が年間300万円発生している。

• あるべき姿：在庫管理システムを導入し、不良在庫をゼロにする。

• ギャップ：不良在庫による損失額＝300万円

解決案として、新しい在庫管理システムを導入する場合、そのコストが100万円だとしたら、費用対効果が高いことが明確になります。

【例2】従業員の生産性低下の問題

• 現状：従業員1人あたりの生産性が月10%低下している。

• あるべき姿：従業員の生産性を従来の水準に戻す。

• ギャップ：月間売上への影響＝10% × 月間売上5,000万円＝500万円

年間換算すると、500万円 × 12ヶ月＝6,000万円の損失になります。この金額を元に、教育プログラムや業務改善の費用対効果を計算できます。

ギャップを金銭に置き換えるテクニックを磨く3つのステップ

ステップ1：データを収集する

金額を算出するためには、まず「現状」を正確に把握することが大切です。社内データや市場データを活用し、信頼できる数字を集めましょう。

ステップ2：仮説を立てる

金銭に換算する際に、すべての要素を正確に計算することは難しい場合があります。その際は、妥当な仮説を立てて試算することも許容されます。

ステップ3：専門家の意見を参考にする

複雑な問題では、外部の専門家や他部署の意見を取り入れることで、計算の精度が高まります。

まとめ：ギャップを金銭に換算して、優先順位を明確にしよう！

職場の問題解決において、**「どこから着手するか」**を明確にすることは非常に重要です。ギャップを金銭に置き換えることで、感覚的な判断ではなく、客観的で論理的な意思決定が可能になります。この手法を活用すれば、上司や役員へのプレゼンでも説得力が増し、リーダーとしての信頼を得ることができるでしょう！

あなたも今日から、**「ギャップを金銭で可視化する」**問題解決のプロになりませんか？

問題解決 あらゆる課題を突破するビジネスパーソン必須の仕事術 [ 高田　貴久 ] 価格：2,860円（税込、送料無料) (2025/1/6時点)