問題の設定（その７）問題解決に取り組む理由が説明できない？納得を得る「組織的な意義」の考え方

こんにちは！仕事の中で、問題解決に取り組むシーンは多いですよね？

でもこんな経験、ありませんか？

「部長に『なぜこの問題を解決するのか？』と聞かれたけど、納得させられなかった…」

「問題解決に取り組む理由を説明しても、十分に理解してもらえない…」

問題解決において、「なぜその問題に取り組むのか」をしっかり説明できることは、信頼を得るために非常に重要です。今回は、あなたの問題解決の取り組みが上司や同僚から評価されるようになるための「組織的な意義」の考え方について、詳しく解説します！

なぜ「組織的な意義」が重要なのか？

問題解決は、一人で完結するものではありません。職場では多くの場合、他部署や関係者の協力が必要です。そのため、周囲の協力を引き出すには、彼らを納得させられるだけの理由が不可欠です。

特に上司や部長クラスに説明する場合、「組織としてなぜその問題に取り組むべきか」という視点が求められます。この組織的な意義を説明できなければ、「その問題は重要でない」と判断される可能性が高くなります。

問題解決の「組織的な意義」を考える3つのポイント

1. 経営理念や行動規範に基づいて考える

企業には必ず経営理念や行動規範、ミッションといった「上位概念」が存在します。これらは、会社の存在意義や方向性を示すものであり、社員の行動や意思決定を導く基準でもあります。

問題解決に取り組む際は、その行動がこれらの上位概念とどのように関連しているかを明確に説明しましょう。

• 例：食品メーカーのケース

　• 経営理念：「お客様の健康を第一に考える」

　• 問題：「品質管理に不備があり、一部の商品で異物混入の可能性がある」

　• 解決理由：異物混入の問題を解決することは、お客様の健康を守り、会社の理念を実現するために欠かせない行動である。

このように、経営理念や行動規範を引き合いに出すことで、問題解決の重要性を「組織の目的」と結びつけることができます。

2. 金銭的な影響度を補足する

「ギャップの大きさを金銭に置き換える」ことも、納得を得るための有効な手段です。特に、経営者や管理職は、問題がどれだけ会社に影響を及ぼすかを金銭的に理解することで、その解決に対する優先順位を判断します。

• 例：物流部門のケース

　• 問題：「配送効率が悪く、コストが増加している」

　• 現状：年間の配送コストが1億円。効率化すれば20%削減可能。

　• 解決理由：「配送効率を改善すれば、年間で約2,000万円のコスト削減が可能。この削減額は、利益率向上に直結する。」

金銭的な影響度を示すことで、問題解決の重要性を数字で明確に伝えられます。

3. 社会的責任（CSR）の視点を取り入れる

近年、企業の**社会的責任（CSR）**がますます注目されています。問題解決が「環境保護」や「コンプライアンス遵守」といった社会的課題に貢献するものであれば、それ自体が強力な理由になります。

• 例：製造業のケース

　• 問題：「工場の廃棄物が適切に処理されておらず、環境負荷が高い」

　• 解決理由：「環境保護は当社のCSRの柱であり、廃棄物問題を解決することは持続可能な社会の実現に寄与する。また、企業ブランドの向上にもつながる。」

社会的責任の視点を加えることで、問題解決の意義をより広範な文脈で説明することが可能です。

問題解決の理由をうまく説明する4ステップ

ステップ1：上位概念を明確にする

まず、自社の経営理念や行動規範を確認しましょう。これが問題解決の土台となります。

ステップ2：現状とあるべき姿のギャップを明確にする

次に、「現状」と「あるべき姿」の違いを具体的に洗い出します。このギャップが、問題解決の目的となります。

ステップ3：金銭的影響や社会的責任を示す

そのギャップがもたらす影響を、金銭的または社会的観点で数値化します。

ステップ4：組織的な意義として結論づける

最後に、これらの情報を基に「なぜこの問題を解決すべきか」を明確にまとめます。

実践例：職場での説明の組み立て方

【例1】営業部門の効率化

　• 現状：営業プロセスが煩雑で、成約率が低い（20%）。

　• ギャップ：効率化すれば成約率を30%に引き上げ可能。

　• 金銭的影響：成約率10%向上で、年間売上が5,000万円増加。

　• 組織的意義：「営業プロセスの改善は、当社の経営理念である『お客様に最適な価値を提供する』という目標に直結します。また、売上向上が利益率改善に寄与します。」

【例2】品質管理の強化

　• 現状：製品不良率が0.5%。理想は0.1%。

　• ギャップ：不良率を削減すれば、返品コストを年間1,000万円削減可能。

　• 社会的責任：「品質管理の強化は、『顧客満足の追求』を掲げる当社の経営理念に合致します。また、クレーム削減が顧客信頼度向上にもつながります。」

問題解決の説明で信頼を得よう！

部長や同僚に問題解決の意義を説明する際は、「組織的な意義」をしっかりと考えることが重要です。

「なぜこの問題に取り組むのか？」を、経営理念や金銭的影響、社会的責任といった観点から明確に説明することで、納得感のある議論が展開できます。

今日から、あなたも組織全体を巻き込んで問題解決を進めるリーダーになりましょう！

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