「もうこれ以上、価格は下げられません!」
購買部門や経理担当者が、一度は耳にしたことのあるフレーズではないでしょうか?
毎年、コスト削減を求められ、外部購買品の価格交渉を続けてきたものの、「限界に達した」と感じている方 も多いはず。
しかし、まだ手はあります!
今回ご紹介するのは、購買コストのさらなる削減を実現する「戦略的相見積もり」。
この手法を活用すれば、10〜20%の価格引き下げ も十分可能です!
さあ、一緒に「もう削れない」という壁を突破しましょう!
価格引き下げの3つの基本手法とは?
購買価格を下げるための方法は、大きく3つの段階に分かれます。
① 価格交渉(最も簡単だが効果は限定的)
購買先に「もっと安くしてほしい」とお願いするだけの方法。
これは最も簡単ですが、大幅なコスト削減は期待できません。
〈価格交渉の限界〉
• すでに「最安値」と言われると、それ以上は交渉できない
• 継続的な取引がある場合、無理な交渉は関係悪化のリスクあり
② 相見積もり(手軽で一定の効果あり)
複数の業者に見積もりを依頼し、競争原理を活用して価格を下げる方法 です。
〈相見積もりの問題点〉
• 談合の可能性(業者同士が事前に価格を調整するリスク)
• 見積条件の違い(単純な金額比較が難しい)
「相見積もりをやっているのに、なぜか価格が下がらない…」
この問題に直面している企業も多いでしょう。
③ 査定購買(最も効果的だが手間がかかる)
購買先のコスト構造を細かく分析し、原価レベルから価格を作り込む方法 です。
〈査定購買の課題〉
• 高度なスキルが必要(購買者がコスト構造を理解していないと難しい)
• 時間と労力がかかる(全ての購買品に適用するのは現実的でない)
では、手間をかけずに高いコスト削減効果を得るにはどうすればいいのか?
ここで登場するのが「戦略的相見積もり」です!
戦略的相見積もりとは?
通常の相見積もりとの違い
通常の相見積もりは、単純に「価格の安い業者を選ぶ」もの。
一方、戦略的相見積もりでは、以下の2つのポイントを重視します。
1. 見積もり項目を統一する(比較しやすい条件を設定)
2. コストを細かく分解する(どこを削減できるか明確化)
戦略的相見積もりの実践ステップ
ステップ①:見積もりのフォーマットを自社で指定する
通常、業者からの見積もりはフォーマットがバラバラ。
「A社の見積もりには諸経費が含まれているが、B社の見積もりには含まれていない」
このような違いがあると、単純に価格を比較できません!
〈解決策〉
• 事前に 「この項目で見積もりを作成してください」 と指定する
• 労務費、材料費、輸送費などの項目を統一する
ステップ②:コスト項目ごとに最低価格を抽出する
例えば、以下のような見積もりがあったとしましょう。
コスト項目 | A社 | B社 | C社 | 最安値 |
---|---|---|---|---|
材料費 | 100万円 | 110万円 | 90万円 | 90万円 |
加工費 | 50万円 | 60万円 | 55万円 | 50万円 |
物流費 | 20万円 | 15万円 | 18万円 | 15万円 |
諸経費 | 10万円 | 12万円 | 8万円 | 8万円 |
すると、各項目ごとの最低価格を合計すると…
90万円(材料費) + 50万円(加工費) + 15万円(物流費) + 8万円(諸経費) = 163万円!
一方、A社の合計金額は 180万円 なので、戦略的な最低価格を提示することで、交渉余地が生まれます!
ステップ③:購買先と価格交渉を行う
ここで、購買先に対して次のように伝えます。
「他社と比較した結果、各項目ごとの最低価格を考慮すると163万円になります。御社もこの価格に合わせられませんか?」
このように、各コストを細かく分析することで、購買先も「この部分は削れるかもしれない」と考えやすくなります。
結果として、無駄なコストを削減し、適正価格での取引が可能になります!
戦略的相見積もりの導入で、10〜20%のコスト削減を実現!
実際にこの手法を導入した企業では、購買コストを10〜20%削減できた という事例が多数あります。
「もう削れない」と思っているコストでも、見積もりの取り方を工夫するだけで削減の余地がある のです!
まとめ:「価格の壁」を突破せよ!
購買コストの削減において、「戦略的相見積もり」は極めて効果的な手法です!
今回ご紹介したポイントをおさらいしましょう。
通常の相見積もりではなく、見積もり項目を統一する!
コストを分解し、各項目ごとの最低価格を抽出する!
算出した最低価格をもとに、購買先と交渉する!
この方法を実践すれば、今まで「限界」と思っていた価格も、さらに引き下げることが可能 になります。
「もう価格は下げられない…」と諦める前に、ぜひ戦略的相見積もりを試してみてください!


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