「できるサラリーマン」は、考え方もスマートです。その場の行き当たりバッタリや対策を闇雲に取り敢えずやってみると言ったロスの多い考え方や行動は望まれません。
色々な出来事に対しても効率的に対応できるように、ロジカルシンキングを習慣化したいものです。このロジカルシンキングは論理的思考であり、基本となる考え方があります。
この記事では、ロジカルシンキングによる考え方のベースとなる3つの思考について紹介します。
思いつき行動してはロスが大きい!ベースとなる思考スタンスを身につけよう!
ロジカルシンキングは「考え方」のスキルであるため、問題解決に有効であることから、ビジネスにおいて重要な考え方と言えますが、普段の生活においても大切な考え方とも言えます。
取り分け実際のビジネスにいては、その問題が大きくなるにつれ、行動に先立って「なぜ、その行動をとらなければならないのか?」をロジカルに考えなくていけません。この処置が遅れれば遅れるほど各方面においてロスが発生し、目的である問題解決に多くの時間と費用が必要となり信頼を失う等その被害インパクトは甚大になってしまいます。
このため、変化が早い現代だからこそ、あなたがこのスキルを身に着け、行動に先立って、十分に考え抜き、よりよい行動がとれるよう模索できる「できるサラリーマン」となり、あなたが所属する組織のリーダーとして、活躍する「できる男」が望まれているのです。
基本となる「3つの思考」は、この3つ!
ロジカルシンキングのベースとなる考え方において3つの思考スタンスがあり、それは、ゼロベース思考、仮説思考、ポジティブ思考の3つです。
これがロジカルシンキングのベースとなる考え方であり、ビジネスや普段の生活において遭遇するさまざまな問題を解決し、乗り越えていくために、「できるサラリーマン」としては、ぜひとも心掛け、身に着けるべき思考スタンスです。
ゼロベース思考
「いったんすべての既成概念、しがらみを取り払い、最善の答えを模索する」という考え方。
自分の過去の経験や知識は先入観として働く可能性があるため要注意です。
この考え方は、従来の環境においては最善と考えられていたシステムや手段、方法でも、それが現時点においても最善であるとは限らないということを前提とし、より良い方法を探求する思考です。
現在においても、過去の考え方や従来の方法、現在のしがらみにこだわっている人は意外と多く存在しています。その中であなたがゼロベース思考で対応策を考え、それを実行したとき、そこに大きな優位性を得られることは容易に想像できるのではないでしょうか。
このように、ゼロベース思考は、先入観や既成概念に囚われることなく、環境の速さにも対応する考え方のベースとして有効な考え方なのです。
ゼロベース思考からの発展
ゼロベース思考を具体的に実践することで、当初検討を始めた時より思考の枠が広がり、その結果、狭い枠では考えもつかなかった対応策にたどり着く可能性があります。
新しい問題に対して、従来の慣習、発想にとらわれてしまうことで関係者との連携がうまくいかず、みんながどこかモヤモヤした気持ちで、まぁこんなもんだよねと感じる経験もあるかと思います。
この時、いったんすべての既成概念、しがらみを取り払い、ゼロにして解決策を思案するのです。
この様に、一度立ち返り「先入観」「しがらみ」にとらわれず、自分の考えを制限しないで新しい考えを導き出すスキルがゼロベース思考と言えます。
ゼロベース思考の実践
問題が発生した時は、一度、落ち着きましょう。
ゼロベース思考は、問題が発生した際や改善の余地がある現時点において、解決策を模索する際にもとても有効なスキルです。
ゼロベース思考を実践すると、従来の考え方や状況に対しフラットな状態からの提案が行われるため、新しいことを望む際には周囲の人に対し変革を要求することに似ています。このため、既成概念や従来の慣習に沿う周囲のメンバーからは、あなたの意見に対し、反対意見や批判をあげられることも多いでしょう。これは、従来のやり方、考え方に従う方が経験や知識があり安心で楽だからです。
全体として望ましい変革を得るためには、多くの手間や大きなエネルギーが必要であり、この抵抗に対し乗り越えることが必要だと肝に銘じましょう。マネジメント職は自分の信念に基づき、周囲の意見に臆することなく、最も正解に近いと考える位置へメンバーと共に導くものです。
ゼロベース思考のまとめ
問題が起きた時、明日からあなたの頭の中で呟いてください。
ちょっと待って。いったん、全部の条件をなかったことにして、一番望まれるあるべき姿ってどんな状態かな?その状態を実現するために課題となる事項はなんだろう?実際のことを考えれば反対意見もあると思うけど、まず理想に近づくための方策を考えようよ。
仮説思考
「とにかくその時点での仮説を持って行動する」という考え方。
どこに向かうか闇雲に進んではゴールにたどり着くことは難しいでしょう。まずは、進む方向性を決めることから始めましょう。
この考え方は、ビジネスで直面する様々な問題に対し、意味のある対応策を立案するために必要であり、仮説を立てて行動し、検証する。検証の結果、間違っていると判断したら、その結果を踏まえ新しい仮説を立て、再びそれが正しいか検証していきます。
仮説なので検証した結果、間違っていてもいいのです。直ぐに別の仮説によりリカバリーすることが大切です。
仮説検証というと難しそうに聞こえますが、仮説を考え、それを検証していくという行動は、常日頃あなたも大なり小なり実践していることです。
例えば、家を出る前に窓から空をみたら暗く曇っていたとします。おそらく、多くの人は雨が降るかもしれないと思い、天気予報を確認することを考えるでしょう。
あなたは、暗く曇っている空を見た瞬間に、「雨が降るかも知れない」という仮説を立て、その仮説を検証するため「天気予報を確認する」という検証を行っているのです。
例えば、週末彼氏と一緒に仲良く車でドライブデート。ウキウキした気持ちでお出かけします。しかし、途中で高速道路を走行中に渋滞に巻き込まれました。
走行途中の高速道路出口で何台かが渋滞を回避するため高速道路から降りて行きましたが、少し待てば進むだろうと、あなたはそのまま降りることなく直進しました。数時間後、先に進んだところ、交通事故が発生しており車線規制による渋滞であったため長時間待つことになりました。
これは、仮説思考によらず、何も考えずに行動した結果です。
仮説思考が必要なもっとも重要な点として、仮説を持って行動しないと行動にムダが増え、貴重な資源や時間をいたずらに浪費してしまうということです。
ある程度正確な仮説を立てることができれば、その行動に集中して進めることで短時間で成果を得ることができますが、仮説を立てずに行動すると、成果を得るまでにあれやこれやとムダな行動に時間が掛かってしまうことが容易に想像できます。
あの有名な名探偵も、様々な情報から仮説を適切に推理し、検証を行い、更に真実を仮説し、検証を繰り返すことで犯人を追いつめていくことができます。
一方、仮説を立てられない迷探偵は、誰かなぁと考えてみるもののよくわからないので、いったん、コンビニでコーヒーを買った後、公園のベンチで一息ついてみます。
すると、そのまま居眠りしてしまい、一生、犯人にたどり着くことはできないのです。
仮説思考実践のポイント
仮説思考を実践するうえで留意するポイントが3つあります。
Point1 具体的な行動に結びつく仮説を考える
ビジネスにおいて、思考したことが行動に結びつき、行動した結果・状況を判断することが意味のある行動となり、更に新しい仮説につながっていきます。
まず、仮説から行動へつなげることで何らかの結果を得ることが重要であり、検証することで不足する情報は追加して再検証する。この考え方を繰り返すことで確度がどんどん高まります。
Point2 仮説検証に時間をかけすぎない
現在のように変化の速い時代のビジネスにおいて、スピードやタイミングは成功のために決して無視できない重要事項です。
仮説を練りに練って、じっくり考えた後、本当に間違いないかとじっくり検証できる時間があればいいのですが、現在のビジネス環境ではじっくりじっくりは許されません。
時には、わずかな時間の遅れさえ取り返しのつかない事態になりえることさえ想像されます。
よって、仮説検証は、適度に必要なエネルギーをかけ、適度に必要な検証レベルまで実行して「おおむね間違ってないだろう」という範囲までできれば十分といえます。80点取れれば十分です。
ビジネスは研究ではないので100%仮説が正しいと証明されることが求められるものではなく、仮説を行動に結びつけ、素早く検証を繰り返し、目標達成と判断できるレベルを成果としてアウトプットすることが求められます。
Point3 仮説を立てるまでに至った理由をしっかり考える
仮説思考において、行動に結びつくような仮説を先に考えるようになると、仮説を立てるに至った理由も明確になります。
理由がはっきりしていることで、他者への説明も整然となり、間違った方向への仮説が修正されやすくなります。論理的に考え仮説を立てることで「○○なのは××だから」と導くことができます。
ビジネスにおいて、「なんかよくわからないから仮説の立てようがない」と言っていては何も進むことはなく、致命的に時間を浪費していくと言えます。マネジメント職への道は果てしなく険しい道のりとなるでしょう。
仮説思考のまとめ
いかがでしたでしょうか。仮説思考は、実は日常の中で既に実践しており、難しい考えではありませんが、とても大切な思考です。日々の仕事におかれましても繰り返し実践することで、仮説の立て方についてポイントを押さえた対応ができるようになビジネスパーソンに成長されることを願っています。
ポジティブ思考
「いまよりもベターな解が必ず存在する」という考え方。
最適解はほかにあるという事は、まだ改善の余地があり、より良くなる可能性を秘めているということです。
ポジティブ思考とは「いまよりより良いと思う解が必ず存在する」という考え方ですが、楽観的なプラス思考とは異なるものです。もちろん、「明日は必ずいいことがある」という思考もそれなりに大切ですが、「できるサラリーマン」として心掛ける思考は違うものです。
より良いものが必ずあるはず
ポジティブ思考は、究極の対応策により近づけるために、同じ時間をかける中でもある仮設よりもより良い仮説が存在することを意識しアウトプットの質と量を高める考え方とも言えます。
変化の速い現在のビジネス世界では、常に最高の対応策を見つけ出すことは困難です。
変化のスピードを考慮すれば、仮にその時点で最高であっても環境が変わることで変化するため、最高の対応策は存在すらしないのかもしれません。
従って、この時の重要な考え方としては、「その時点で考えうるベターな対応策を模索することであり、究極ベストの対応策について時間をかけて模索することではない」です。
あなたが「できるサラリーマン」として思考する際は、安易に妥協せず、究極の答えを追及する前にもっとも効果的でベターな対応策を模索することが望まれます。
より良いものがあるので考え抜く
繰り返しとなりますが、あなたは、メンバーをリードするマネジメント職として、限られた時間の中で、手元にある情報から最も効果的でベターな対応策を模索することが望まれているのです。
課題に直面した時、ポジティブ思考を意識するかしないかで、ビジネスリーダーとしてのアウトプットの質、量は大きく異なるものであり、時間の許す限り「いまよりより良いと思う解が必ず存在する」と真剣に考え抜くことが求められるのです。
成り行き任せで「なんとかなる」、「なるようにしかならない」は、一般職の新人でも許されることはないと認識しましょう。
ポジティブ思考のまとめ
いかがでしたでしょうか。ポジティブ思考を実践するにはベースとなる思考はもちろん、多くの知識も必要となります。日々、色々なことに興味を持ち知見を広げ、前向きな選択肢を多く持てるといいですね。
学びからの実践により「できるサラリーマン」に!
現実の世の中では、これらの思考スタンスを無意識に実行している人、まったく実行していない人、理解して実践する人に分かれています。
実際のビジネスにおいて成功しているの人多くは、これら3つのスタンスを実行している人々です。
もし、今までこのような考え方を全然知らなかったり、聞いたことがなかったとしたら、それは成長のチャンスです。新しく知った知識を着実に学び、現時点からこれまでの自分より確実にスキルアップしましょう!
まとめ
3つの思考スタンスロジカルシンキングのベースとなる思考であり、個人の思考に対するスキルであるため、身に着けるためには日々の訓練が必要です。知識ではなくスキルであるため、身についたものはその訓練を繰り返し実行した結果として習得されます。決して一度学んだからその瞬間から劇的に変化するものではありません。単純ですが簡単なスキルではないため一朝一夕に体得できるものではありませんが、学ばなければ得られませんし、何も変わりません。
ぜひ、これらのエッセンスを知り、学び、繰り返し練習し、着実に身に着け、今後の仕事や生活の中で生かして「できるサラリーマン」を目指しましょう!
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