1. なぜなぜ分析はやっているのに、なぜ再発するのか
多くの職場で、
「なぜなぜ分析」は実施されています。
- フォーマットもある
- 5回なぜを繰り返す
- 報告書も提出する
それでも現実はどうか。
同じミスが繰り返される
この違和感を感じたことはないでしょうか。
「分析しているはずなのに、なぜ防げないのか?」
ここに大きな落とし穴があります。
2. 問題は「やっていること」ではなく「やり方」
なぜなぜ分析がうまくいかない理由はシンプルです。
“形”だけをなぞっているから
例えばこんな分析です。
- なぜミスした? → 確認不足
- なぜ確認不足? → 意識が低い
- なぜ意識が低い? → 教育不足
一見それらしく見えます。
しかしこれは
原因ではなく、言い換えです。
3. 本当の原因にたどり着いていない
なぜなぜ分析の目的は、
真因(再発する原因)を見つけることです。
しかし多くの場合、
途中で止まっています。
なぜなら、
- 抽象的な言葉で終わる
- 個人の問題にしてしまう
- 深掘りすると都合が悪い
こうした要因があるからです。
結果として、
「それっぽい分析」で終わる
4. 「個人」に逃げると分析は止まる
最も多いパターンがこれです。
原因:注意不足
この時点で、
分析は終わっています。
なぜなら、
それ以上深掘りしないからです。
しかし本来はこうです。
- なぜ注意できなかったのか
- 注意しなくても防げる仕組みはないか
- 他の人でも同じことが起きるか
ここまで行って初めて、
再発防止につながります。
5. 正しい「なぜなぜ分析」とは
本来のなぜなぜ分析は、
こういう思考です。
人ではなく、構造にたどり着くまで掘る
例えば、
「確認漏れ」が起きた場合。
悪い例
確認不足 → 意識が低い → 教育する
良い例
確認項目が多い → チェック方法が曖昧 →
誰でも抜ける構造 → チェックリストを標準化
ここで初めて、
再発防止になります。
6. なぜなぜ分析が形骸化する理由
現場ではなぜ形だけになるのか。
主な理由は3つです。
① 時間がない
深く考えるより、
早く報告書を出すことが優先される。
② 上司が答えを持っている
本来は考えさせるべきなのに、
上司がすぐに結論を出してしまう。
③ 本音に踏み込めない
- 作業負荷が高い
- ルールが現実と合っていない
こうした問題に触れると、
組織の問題になるため避けられる。
7. 管理職がやるべきこと
ではどうすればいいのか。
管理職の役割は明確です。
“答えを出すこと”ではなく、“掘らせること”
そのために重要なのは、
質問です。
- 「それは本当に原因?」
- 「他の人でも起きる?」
- 「仕組みで防げる?」
この問いを繰り返すことで、
分析の深さが変わります。
8. 良い分析と悪い分析の違い
最後にシンプルに整理します。
| 観点 | 悪い分析 | 良い分析 |
|---|---|---|
| 原因 | 個人(注意不足) | 構造(仕組み) |
| 対策 | 教育・注意 | 再発防止 |
| 再現性 | ない | ある |
9. 最後に
なぜなぜ分析は、
とても強力なツールです。
しかし使い方を間違えると、
ただの儀式になります。
重要なのは、
「人を責める分析」ではなく
「再発を防ぐ分析」
この視点を持つことです。
それができたとき、
同じミスは確実に減っていきます。
なぜなぜ分析・問題解決を深く学びたい方へ
■ なぜなぜ分析 実践編
現場で使える具体的な分析手法が分かりやすく解説されています。
「なぜなぜ分析」は生産現場で実施されてきたが、問題点の分析等に活用できます。従来の工場の現場技術者だけでなくマネジメントの問題点の分析にも役立てられるツールとしての入門書


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