はじめに
管理職になると、
「自分で考えて動いてほしい」
と思う場面が増えます。
実際、
仕事はどんどん増えていく。
すべてを自分でやることはできません。
だから、
課題をメンバーへ割り振る。
これは当たり前のマネジメントです。
そして当然、
管理職側には、
「期待する成果」
があります。
しかし現実には、
最初から期待通りの回答が返ってくることは少ない。
すると上司は、
・ヒントを出す
・方向修正する
・考え方を教える
・伴走する
ようになります。
ここまでは自然です。
しかしこの時、
気づかないうちに、
“答え待ち部下”
を作ってしまうことがあります。
今回は、
「主体性を育てる関わり方」
について、具体例も交えながら、現場目線で分かりやすく解説していきます。
最初は「分からない」が普通
まず重要なのはここです。
新しい課題を渡された時、
部下側は、
・何が正解か分からない
・どこまで考えればいいか分からない
・そもそも考え方が分からない
状態です。
つまり、
最初から自走できない
のは普通なのです。
ここで、
「主体性がない」
と切り捨てるのは危険です。
むしろ最初は、
伴走が必要
です。
問題は、
“どう伴走するか”
なのです。
「答えを教える」と、思考が止まる
管理職が最もやりがちなのがこれです。
例えば部下が、
「どう進めればいいですか?」
と聞いてきた時。
<よくある対応>
「それはこうやって」
「まずこれをやって」
「答えはこれ」
一見すると、
丁寧に教えている良い上司です。
しかしこれを続けると、
部下は、
「まず上司に聞こう」
になります。
なぜなら、
自分で考える必要がなくなる
からです。
自ら考えるには、どうすればいいのか?
<「資料作成」で起きる答え待ち>
例えば、
会議資料作成を任せた場面。
部下が作成した資料を見て、
上司が毎回、
・構成を全部直す
・表現を修正する
・順番を変える
・結論を書き換える
をやる。
すると部下は、
「最初から上司の正解を聞いた方が早い」
になります。
そして次回から、
「どう作ればいいですか?」
と確認が増える。
これは本人のやる気不足だけではありません。
“考えても修正される環境”
がそうさせているのです。
主体性を育てる上司は
<「考え方」を聞く>
ではどうすればいいのか。
重要なのは、
“答え”
ではなく、
“思考プロセス”
を見ることです。
例えば、
<NG>
「違う。こうして」
<OK>
「まず、どう考えた?」
「なぜこの構成にした?」
「一番伝えたかったことは?」
かなり違います。
前者は、
答え修正。
後者は、
思考確認。
つまり、
“考える習慣”
を残しているのです。
「分からないなりに考える」が重要
ここが主体性の入り口です。
もちろん最初は、
答えにたどり着けない。
方向がズレる。
これは普通です。
しかし重要なのは、
“自分なりの仮説”
を持つことです。
例えば、
<悪い相談>
「分かりません」
<良い相談>
「私はこう考えました。ただ、この部分で迷っています」
これだけで大きく違います。
なぜなら、
“考えた跡”
があるからです。
管理職として育てたいのは、
完璧な回答
ではありません。
まずは、
考えようとする姿勢
なのです。
上司が見るべきは「完成度」ではない
ここはかなり重要です。
管理職はつい、
成果物の完成度
を見ます。
しかし育成段階では、
そこだけを見ると危険です。
本当に見るべきなのは、
・どこまで考えたか
・どう整理したか
・何に迷ったか
・なぜその判断をしたか
です。
例えば、
結論が間違っていても、
思考プロセスが良ければ、
次につながります。
逆に、
答えだけ合っていても、
思考していなければ育ちません。
「考えていい空気」が必要
部下が考えなくなる理由の一つ。
それは、
間違えるのが怖い
からです。
例えば、
・違うとすぐ修正される
・否定される
・細かく口を出される
・正解以外を嫌がられる
こういう環境では、
人は、
“正解待ち”
になります。
だから管理職に必要なのは、
「まず考えてみていい」
空気を作ることなのです。
具体的なアクション
<主体性を育てる関わり方>
現場ですぐ使える方法を紹介します。
① まず「自分の考え」を聞く
相談されたら、
すぐ答えを言わない。
まず、
「あなたはどう考えた?」
を聞く。
これだけで思考習慣が変わります。
② 完成度より、考えた過程を評価する
「そこまで整理したのは良いね」
「その視点は良かった」
と、
プロセスを見る。
すると、
考えること自体に価値
が生まれます。
③ ヒントは出すが、答えは全部言わない
例えば、
「何が一番の目的だと思う?」
「誰に向けた資料?」
など、
視点を与える。
すると部下は、
自分で整理し始めます。
④ 間違いを“学習”として扱う
方向が違っても、
「なぜそう考えた?」
を確認する。
すると、
間違いを隠さなくなります。
本当に育つ組織とは
強い組織は、
上司が全部答えを持っている組織
ではありません。
部下が、
・まず考える
・仮説を持つ
・相談しながら修正する
組織です。
つまり、
“自分で考える文化”
がある。
そのためには、
上司が、
答えを渡しすぎない
ことが重要なのです。
まとめ
主体性とは、
「最初から一人で完璧にできること」
ではありません。
本当に重要なのは、
分からないなりに、
まず考えてみること
です。
だから管理職に必要なのは、
答えを全部教えること
ではありません。
・どう考えたかを聞く
・思考プロセスを見る
・ヒントを与える
・安心して考えられる空気を作る
ことです。
そしてその積み重ねが、
“答え待ち”
ではなく、
“自分で考えられる人”
を育てていくのです。

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